羊のおはなし

羊のお話

春になるとモコモコのコートを着た羊さんたちに「そのコートを脱いでもらう」毛刈りの季節が到来。

ニュージーランドは南半球に位置していますから日本と季節が逆なので、日本が秋になるころに毛刈りの季節になります。

関西では、六甲山牧場の羊の毛刈りがニュースで流れたりしますね。

バリカンできれいに裸にされる羊さんたち。かわいそうに見えるけど、すっきりして、病気や皮膚炎の予防にもなりますね。

羊毛を刈り取りします

この刈り取られたままの原毛は毛がばらばらにならず、一枚のコートのように繋がっています。

これをフリースと言います。

わんこを触っていても体の場所によって、毛の太さや質が違うように感じますが、羊さんの毛も同じ。
体の場所によって毛の太さや質、汚れ具合も違うので、部位を選別することで、一頭のひつじから様々な表情の糸を楽しむことが出来ます。また羊の種類は数千種。その種類によっても個体によっても毛の質は異なります。

この状態の原毛は、グリージーウールと呼ばれ、訳すと「汚毛」。土や藁はもちろん、糞もついています。

刈り取った毛は、汚れの酷いところや繊維の短いところ、フェルト化している部分は取り除かれます。これをスカーティングといいます。

ラ・メールでは、スカーティングされたグリージーウールをフリース単位で販売もしております。

刈り取った羊毛を洗います

洗剤の入ったお湯に優しくつけ洗い。

毛先を手で丁寧に洗います。

この洗いを洗毛と言います。

余計な汚れや脂が落ちるて乾くと、白っぽい美しいナチュラル色になります。

洗剤の量やお湯の温度で羊毛の洗い上がりは変わります。
それによって出来る糸も変わります。好みに仕上げられると良いですね。

洗い終わった状態の原毛をスカード状、ウェップ状といいます。

ラ・メールでは工場で洗毛したスカード状(ウェッブ状)を販売しております。
この状態は、まだ、藁ゴミが残っています。

好みの状態に洗い終わったら、毛解し、梳きます

洗い終わった原毛を手でほぐし、大まかにゴミを取り除きます。

その後ハンドカーダ―やドラムカーダーで少しずつ梳きます。この作業で、細かな藁ゴミなどが落ちて、きれいになります。毛の方向をそろえるとともに、たっぷりの空気を含ませる大切な作業です。

この状態までくると、糸にするために紡いだり、フェルトにしたりできますよ。

工場で、大きなカーディングマシーンを通った毛は、トップ状、スライバー状という商品名で販売しております。

紡きましょう

紡ぎ車やスピンドルを使って、繊維に撚りをかけて糸にしていきます。

ヤノフ村のイベントのために、ポーランドのから来られるルチナさんに日本らしさをお見せしようと、着物を着てのお迎えです。

撚りの加減や紡ぎ方を変えることで肌触りも全く違う、様々な糸に仕上がります。

いろいろミックスしてアートヤーンも楽しいですね。

かせにとります

紡いだ糸は、単糸の場合は木枠に巻いて撚りが戻らないように蒸します。
双糸(2ply)の糸はかせにとって撚り止めをします。
お湯に浸して脱水。糸が乾いたら完成〜〜。糸の緊張がとれてふわふわな糸に!

糸ができました

使いやすいように毛糸玉にしたり。

編み物を楽しんだり、手織りを楽しんだり、ぜいたくな時間をお過ごしください。

染色について

洗いあがった羊毛を染色します。糸にしてからでも、目的に合わせて自由にできます。
ラ・メールでは、染料も扱っております。

草木染の例